損益分岐勝率:リスクリワードとコストが求める勝率

著者:Andre

教育目的のみであり、投資助言ではありません。シミュレーションとバックテストはモデルであり、約束ではありません。すべてのルールはご自身のファームで確認してください。

どの戦略にも、損益ゼロにするだけで超えなければならない勝率があります。コストはその数字を押し上げ、狭いストップはさらに押し上げます。計算方法と、それを本当に上回っているとどこまで言えるかを説明します。

計算式

すべてをR、つまり1トレードあたりのリスク額で測ります。勝ちはb R(リスクリワード)、負けは1 R、そしてどのトレードにもc Rのコスト(スプレッド、手数料、スリッページ ÷ ドル建てのリスク)がかかります。勝率をpとすると、1トレードあたりの期待値は

E = p × b − (1 − p) − c

Eをゼロとしてpについて解くと:

損益分岐勝率 = (1 + c) ÷ (1 + b)

早見表

リワード : リスクコストなしコスト0.05Rコスト0.10R
0.5 : 166.7%70.0%73.3%
1 : 150.0%52.5%55.0%
1.5 : 140.0%42.0%44.0%
2 : 133.3%35.0%36.7%
3 : 125.0%26.3%27.5%

52%勝つ1:1の戦略はエッジがあるように見えます。しかし0.05Rのコストを引くと損失になります。

Rで見たコスト:狭いストップが高くつく理由

コストはドルで見ると1トレードあたりほぼ一定ですが、リスクはストップ幅で決まります。そのため、ストップが狭いほど同じコストがRに占める割合は大きくなります。

EUR/USDの例:1標準ロットは1pipあたり10ドルです。スプレッド1pip、往復手数料7ドルと仮定すると、1ロットあたり約17ドルです。10pipのストップなら1ロットあたりのリスクは100ドルなので、c = 17ドル ÷ 100ドル = 0.17Rとなり、1:1のトレードが損益ゼロになるには58.5%の勝率が必要です。30pipのストップなら1ロットあたり300ドルのリスクで、c ≈ 0.057R、損益分岐は約52.8%まで下がります。実際のスプレッドと手数料は異なるので、自分の数字を入れてください。

プロップ口座でのスキャルピングが難しいのはこのためです。不可能ではありませんが、1トレードあたりのエッジがはるかに高いハードルを越える必要があります。

期待値の計算例

0.05Rのコストで、1.5:1のトレードの45%に勝つとします。するとE = 0.45 × 1.5 − 0.55 − 0.05 = 1トレードあたり+0.075Rです。この設定での損益分岐は42%なので、3ポイント上回っています。1トレードあたり200ドルのリスクなら平均で1トレード15ドル、3,000ドルの目標には約200トレードが必要です。目標到達日数計算ツールはこれを日数に換算し、平均のまわりのばらつきも示します。

勝率が高いことはエッジではない

利確目標を近づけるか、ストップを遠ざければ勝率は上げられます。市場にエッジがなければ、コスト前の期待値がゼロのままになるよう、リスクリワードがちょうどその分だけ下がります。これが任意停止定理で、ストップと利確目標ではエッジは作れないで解説しています。重要なのは、自分のリスクリワードとコストに対する損益分岐を、勝率がどれだけ上回っているかだけです。

どこまで確かと言えるか

測った勝率はノイズを含んだ推定値です。nトレードでの標準誤差は√(p × (1 − p) ÷ n)です。1:1で100トレード中55%勝った場合、おおよその95%範囲は55% ± 9.8%、つまり約45%から65%です。この範囲には損益分岐(コスト0.05Rで52.5%)も、負ける結果も多く含まれます。400トレードなら約50%から60%に狭まり、1,000トレードでも約52%から58%の幅が残ります。

実際には、小さなエッジを確かめるには数百トレードが必要です。数十トレードの結果や、1回合格したチャレンジでは、どちらの方向にもほとんど何も証明できません。

チャレンジでの使い方

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